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 U 宇宙のメカニズムを理解する
 
 2. 宇宙の存在は全て素粒子でできているということ
 宇宙の究極の思考問題は次のようなものであった。

 @「壊れないもの」で「壊れるもの」ができているのが、この宇宙だ。
 A「命のないもの、死すべき運命にないもの」で「命のあるもの、死すべき運命にあるもの」ができている
   のが、この宇宙だ。
 B「永遠なるもの」で「有限なもの」ができているのが、この宇宙だ。


 そして、実際の宇宙にあるものは次のようなものであった。

  1.星や銀河に代表されるような「天体構造」
  2.(おそらくは)星の近傍にいるであろう、「生物構造」
  3.星由来の構造
  4.生物由来の構造
  5、星と生物が共同作業して作り上げた構造



 上記の実際の宇宙にある5種類の構造は、宇宙の究極の問題の三つの条件を満たしているのは言うまでもない。従って宇宙にある全ての存在は壊れてしまう(かその可能性がある)し、誕生から死までという有限な時間だけ存在する。しかし、これらのものは全て「素粒子」と呼ばれるこれ以上は分割できないもの、つまり壊れないものでできているということであり、そして私たちが解かねばならない問題は、この宇宙では何故壊れないもので壊れるものが作られているか? ということだ。

 そこで、まずはその素粒子というものについて少しだけ理解してもらいたい。下記の図において、一つのマスには一つの素粒子が書かれているから、現在見つかっている素粒子の数は16種類になる。赤色のマスの一番下に、最近、巷を賑わしたヒッグス粒子というものが点線の枠に入って書かれてある。ヨーロッパにある大型加速器施設「セルン」で新しく見つかった素粒子がヒッグス粒子であるかもしれないとのことなのだが、今はまだ確定的ではない。が、それも入れると17種類になる。そして赤色のマスの中にはもう一つ本当なら確実に入らなければならない素粒子がある。それが重力を伝達する素粒子であるグラビトンなのだが、グラビトンは未だに見つかっていない。
 さて、素粒子を理解してもらうとはいえ、目的はこの宇宙では何故壊れないもので壊れるものが作られているか?
という問題を解くことにあるのだから、それに関することだけ、解ってもらえばいい。だから、大雑把な理解で十分だから、むつかしく考える必要はない。

 @まずはびっくりすべし!宇宙にあるすべての存在が、たったこれだけのもので出来ている。実際には、私たちの周りに普通にある存在はもっと少ない数の素粒子で出来ている。宇宙にあるすべての存在の自分探しの旅ならば、星であれ生物であれ、私であれあなたであれ、すべての存在がこの図で終焉を迎えるはずだ。(とはいえ、現在ではこれらすべての素粒子が「ブレンと呼ばれる11個ある次元の膜に囲まれたヒモ」でできていると予測されている。そのヒモが振動したりヒモのままだったり輪になったりすることで、これらの素粒子になるらしい。)そして、何よりも宇宙の存在は全て同じ素材で出来ているという事実を当たり前に理解して欲しい!この宇宙の中には、特別な素材で出来ているモノは何一つない。人間も特別なもので出来ているわけではない。確かに、歌の歌詞にあるように宇宙(自然)が作るものは「みんな、特別なオンリーワン」だ、それは間違いない。星も生物も、自然の環境では二つと同じものはない。地球と呼ぶ私たちの母星はこの宇宙がいかに膨大な時空を持っていようともたった一つしかない。あなたも私も、この宇宙に二人と「同じ」と言われる人物はいないだろうし、それは大腸菌でさえも(自然の環境なら)みんな違う。しかし、それらがみんな同じ素材で出来ているのもまた間違いはない。そして出来上がっているものはみんな、「特別なオンリーワン」なのも間違いはないが、出来上がっているもの全てがオンリーワンだというとき、宇宙の「存在全てが有するオンリーワンという性質」は果たして「特別」なのか、それとも「当たり前でごく普通のこと」なのか? まぁ、それはのちのちゆっくりと考えることにしよう。
  
 A宇宙にある全ての存在は、物質粒子と力の(伝達)粒子でできている。
 緑色と青色のマスに書かれた素粒子は「フェルミオン」と呼ばれて、緑のマスのクォーク族は原子核を形成し、青色のマスのレプトン族は原子核の周りにある電子の仲間である。普通の物質では、アップ(u)とダウン(d)と呼ばれる二つのクォークが三つ組み合わされて原子核の部分である陽子(uudの組み合わせ)と中性子(uddの組み合わせ)を形成している。また、通常の物質では原子核の近傍にあるのはレプトンの中でも電子(e)だけだ。これらクォーク族とレプトン族はフェルミオンと呼ばれるグループに入る。フェルミオンは「パウリの排他律」と呼ばれるルールに従っていて、量子数と呼ばれる素粒子の性質を表す指標が全く同じものは、同一の時間に同一の空間を占めることはできない。つまり、全く同じものは、同じ場所に重なり合って存在することはできないということだ。
 一方で、赤色のマスの右側には「Force carriers」と書かれている。これは、「力の伝達粒子」という意味だ。これらの粒子はボソンと呼ばれて、文字通り「力」を伝達する。代表的なものがフォトン(光子)だが、これら力の粒子は「仮想粒子」と呼ばれて、実際にお目にかかることはできない(と思ってもらってかまわない、例外もあるのだが詳しくは自分で探求すべし)。「仮想粒子」のくせに何で素粒子の中には堂々とその名が記されているのか? それはつまり、こういうことだ。「そういうものがないと、現象をうまく説明できないから」。何だか、騙されているように思うだろう? そう、みんな騙されているのである。物理学者は平然と「力」や「エネルギー」と言った言葉を使うが、それらは誰も見たことはない。手に乗せてもらったこともなければ、それが発する音も聞かせてもらったこともない。もちろん、味あわせてもらったこともないのだ。力もエネルギーも元々は「概念」だけのものであった。それを「概念量」として「数量的」に扱ってみたら、世界が良く解ってきたのである。それが「物理学」なのだ。ここでは、これぐらいにしておこう。物理学者の頭の中と私たち凡人の頭の中はかなり違うのだが、その違いについては番外編に書いておいたので、そちらで理解してもらおうと思う。
 さて話を元に戻そう。宇宙にある全ての存在―星も生き物も私もあなたも、たった一つの例外もなく、すべての存在―は、フェルミオンと呼ばれる物質粒子をボソンと呼ばれる力の粒子がくっつけることで出来上がっている。それに、物質粒子の全ての変化や運動は、力の粒子が原因で起こっている。物質粒子については、別に問題はない。それは時空のある一点を専有しているのだから、とても小さな粒子が全く普通の意味で「存在する」と言って差支えはない。しかし、力は「存在する」か? これには普通の存在の定義が当てはまらない。磁石の周りに磁場は存在するか? と問われたら、今の人なら磁場があることは知っているから、磁場はあると言うことはできるが、果たしてそれが、私やあなたが「存在する」のと同じ意味なのだろうか? テレビのリモコンを押すと、テレビの電源が入ったりチャンネルが変わったりする。リモコンからは赤外線と呼ばれる電磁波が出ていて、それが原因でこのような変化が起きるのであるが、かと言って、「赤外線」は目に見えるわけでもなければ、触ることができるものでもない。このようなものを「存在」と呼んで良いものであろうか? そこで、カール・ポパーという思想家は、この状況をこういう言葉で説明した。 「力は存在する、それは、(物質粒子に)影響を与えることが確実であるという理由で存在する」、と。
 というわけで、宇宙の存在は全て、時空の一点を専有する普通の意味で「存在する」物質粒子(フェルミオン)とそれら物質粒子に影響を与えることが確実であるという理由で「存在する」力の粒子(ボソン)で出来ていて、物質を組み立てる糊の役目と変化や運動を引き起こす役目は全て「力の粒子」が担っているということなのだ
 人間は太古の昔から、精神と肉体とか自然の中にいる精霊とか、見えるものと見えないものという具合に世界を二元的に捉えてきた。そして、現代の物理学においても同じように存在や現象が「物質」と「力」というものでできていることを突き止めたのだが、「力」はあくまで「仮想粒子」であって、実際には見ることも触れることもできないものなのだ。私もあなたも地球とのあいだに働いている重力の影響を受けているのは知っているが、重力って見えないでしょう? それと同じだ。

 B力の粒子は、物質粒子をルールに従って組み立てて、ルールに従って動かす。
 みなさんは物理法則が、何故機能するかについて考えたことがあるだろうか? 人間の世界なら良くあることだが、ルールがあっても、誰もそれを遵守しないことには意味がなく、そこに規則性や一貫性、循環性、周期性など「秩序」のある現象を目にすることはできない。しかし、電化製品をはじめ「機械」と呼ばれるものや、星辰の運行など「物理法則」だけで動いているものは、どれもこれも規則正しい「秩序ある」現象を見せてくれる。スイッチを押せば電源は入るし、車のアクセルを踏めば、スピードが変わるというふうに。物質というのは、その性質もその変化も時間と空間を超えてずっと一貫している。それはいつでもどこでも物理法則が機能しているからなのだが、実は素粒子には全て「慣性の法則」と呼ばれる「力のルールには従う性質」が付与されているから、いつでもどこでも物理法則は機能するのだ。
 ニュートン博士が見つけた運動の第一法則が「慣性の法則」と呼ばれるものなのだが、この法則は物理法則の中ではめずらしく「言葉だけ」で表現されていて、数式は出てこない。「すべての物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける」というものだ。わかりやすく言うと、宇宙にあるものは全て、力を加えられたら、力を加えられた方向に、加えられた力の分だけ加速して、後はその速度のままに直線運動を続けますということなのだ。また、この法則は物質の「運動」に限定されているように思えるが、「組み立て」に関しても同じことが言える。力は素粒子を組み立てて陽子や中性子を作り、またそれを組み立てて原子核を作り、またそれに電子を加えて原子を作り、原子どうしを組み合わせて分子を作り、そして分子を組み合わせて星や生き物など宇宙の存在のすべてを構築するが、それも全て、力のルールに従って組み立てられている。宗教や神秘主義が、何をもってスピリチュアルなものと言っているかはわからないが、「力の粒子」は間違いなくスピリチュアルなものであるといえないだろうか? 「力の粒子」はルール通りにモノを組立て、ルール通りにモノを動かすものなのである。そして、「力の粒子」にある「万有引力の法則」や「クーロンの法則」と呼ばれるルールは、この膨大な時空を有する宇宙の中にある、全ての存在に共通するルールなのである。
 人間の行為は、定められた法律やマナーからの逸脱、つまりルール違反を犯すことが可能だ。しかし、物質に掛かる物理や化学、生物法則の一部など、自然科学において見つけ出されたルールについてはルール違反をすることができない。ルールを逸脱できないメカニズムが組み込まれているのだから、ルール違反は犯せないのだ。
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